モノローグ
私、40歳。名前はアキコ。
長年のひとり暮らしで、一人遊びが得意になった。
今日は秋晴れの爽やかな朝。
さあ、どんな風に過ごしましょうか・・・
シーン1
雀茶の地に白、蜜柑色、藍の格子柄の上田紬に、
白地の半幅博多帯の装いはどうかしら…
献上柄の手織り博多帯をキュキュと絹鳴りをさせて
締める心地よさに、背筋もシャキッと伸びる思い。
三種類の白糸を組み合わせて織った帯は、
白地とはいえ複雑で微妙な色合い。
お出かけには、あかね色と紅梅色を組み合わせた
博多織バックをコーディネート。
菊の花びら風デザインがアクセントになり、
カジュアルな中にも格調高く見えるはず。
シーン2
さあ 遊びはこれから・・。
我が家の庭で、野点を楽しむのも粋な趣向ね。
携帯用の野点セットで、おいしいお茶と和菓子を
いただくと、心の底まで豊かに満たされます。
伊万里有田焼の小ぶりな茶碗と茶入れ、茶筌筒、
茶巾筒、白い磁器に葛、稲穂、女郎花、竹(笹)の
絵付けが華やかで、遊び心をあおります。
お茶の甘さとまろやかさに甘さもほどほどの
和菓子は、季節感をたっぷり味わうことができ、
これからの人生をゆっくり考える刻を与えてくれます。
シーン3
秋の庭には、女郎花、吾亦紅、桔梗、
薄などの他にも雑草が生い茂っています。
夕闇が迫るころ、足元には鈴虫、
マツムシなど虫の合奏団が登場。
虫たちは、咲き乱れている小菊や薄、
イヌタデ、宵待ち草の合間からはるか遠く
三日月を眺めて、夜の宴が始まります。
ほら、伊万里有田焼の飾り皿の中、
にぎやかに虫たちの歌声が︙