モノローグ
肌を刺すような木枯らしの吹く日。心にも染み込む寂しさ。
ふと思うあの人のこと・・・
落ち葉、枯れ葉にたわむれたあの日の空の青さが心に残ります。
シーン1
赤い糸を柔らかく市松模様に織り込んだ上田紬のストール。
絹の風合いがやさしく体を包みます。
どんな激しい風や雨からも身を守ってくれるとあなたが言った言葉を、
もう一度かみしめています。
風よ、風よ 吹くほどに私の心は温かく蘇る!
シーン3
今、私はあなたをしのんで、そっと酒を捧げます。
紀州塗の片口から杯に注ぎ、再び書いたあなたへの恋文を添えてみました。
懐かしい思い出、心うずく思い出、あの日、この日の俤が浮かび上がります。