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春の夜は 桜に明けて しまひけり松尾芭蕉
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春の夜、桜に思いを寄せているうちに明けてしまった。
と思ったのも夢なのか?
夢は「野にさく花の小箱」に入れよう。
伊万里・有田焼の梶原真理江さんが
大好きな花たちを筆で描いた「まあるい入れ物」。
津軽塗の七々子塗と紋紗塗の小皿にのせよう。
蓋を開けると…
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近藤啓子さんの夢は 博多の織物になる。
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すっきり、くっきり、きりりとした博多帯。
しっとりと身になじむ。
ひとつひとつの仕事を丁寧に、
一越ひとこしを大切に織る。
たくさんのことが押し寄せて一杯いっぱいになる時も
イヤな目に遭って憤懣やるかたないときも
機に入って、もくもくと糸と向き合っていると
心が静まって
ただただ一定のリズムで織りだけに集中できる。
しあわせ。
夢のある「しあわせな帯」にはどのきものをあわせようか。
いっそ、部屋中にしあわせがひろがるように飾ろうか。
信州上田には 夢のような四季がある。
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その山は工房を守るこんもりとした姿。
上田城のしだれ桜やお堀を囲むサクラがあり、
竹林は風にそよぐ。
林檎の恵みは土地の誇りだ。
手織り上田紬の小岩井カリナさんだけの色合いは、
こんな自然に根差しているから浮ついたりしない。
浴衣で楽しもうか。
森のざわめきを腹に巻いた帯に感じようか。
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