暁の紺朝顔や星一つ
高濱虚子
小学生の頃、朝顔を育てたことはありませんか?
毎朝早起きして水やりをし、絵日記に綴ったり、写生してのれんやエプロンを染めたり…
あの頃の懐かしい思い出を辿って、朝顔探訪に出かけてみることにしましょう。
京鹿の子絞
まずは紫外線対策をと、いつもの晴雨兼用の実用的な日傘を携えつつも、
今日は特別!日傘はやはりお洒落でエレガントなものでありたい。
パラソル形のクラシックな日傘を広げると
非日常のレトロな時間へとタイムスリップするかのよう。
朝顔を見に
しのゝめの
人通り
久保田万太郎
毎年夏になると、
東京入谷の鬼子母神の縁日には
早朝から朝顔市が立って賑わいます。
絞り染めの日傘をさして、
お気に入りの巾着を提げ、
丹精の朝顔や露店を覗く…
そんなぶらぶら歩きの似合う路地が、
ここ茗荷谷にも残っています。
博多織
新緑の季節!コントラストの強い博多織はスタイリッシュな逸品揃い。
巾着はコーディネートのセンスが問われる縞柄に挑戦してみましょうか。
献上のワインバッグは渋派手の威風堂々。
今のところ、世界に二つとない特注づくしです。
馴染みの酒屋さんの店先で、臆せずいつもの白ワインを無造作に買って帰ろうか、古新聞に包まれた通ならではの古酒を奥のセラーから出してもらおうか…
お酒談義が弾みます。
京鹿の子絞
ポシェットのはんなりした色合いは
水のよい京都ならでは。目移りがして悩ましい…
奥ゆかしさが漂う地味目な方が好いかもしれない。
地味こそ粋のつきあたりと唱えた明治の文豪のひそみに倣うことにしよう。
色とりどりのピルケースはどうしたものか…
パチンと閉じるがま口は、近年、静かなブームを呼んでいることだし、
いっそ大人買いをして気前よく配ることにしようか。
備前焼
虚子の紺朝顔のお題に応えて、
凛とした花入が登場。
作者会心の備前焼の肌に紫紺の花が映えそうです。
青い花を探して界隈を歩いてみたのですが、案外、白も似合いそう。
路傍に目をやるとドクダミがいっぱい!
白い十字の花は実は四枚の「苞」とか。
刈り取って乾燥し、生薬として漢方薬ともなるありがたい雑草で十薬とも呼ばれます。
もうドクダミなんて言わないで…
備前の花入は野の花の健気な美しさを余すところなく引き出してくれた気がします。
でもいける口の皆さまにとっては
備前の魅力はなんといっても酒器?
「竹多目杯」の用途はお茶、お酒、焼酎、蕎麦猪口、なんでもござれ…
日々愛用し、育てていくには絶好のうつわと言えます。