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女性伝統工芸展 〜作家とともに〜

特集「くらしの旬」8月

今月の俳句

月の輪を ゆり去る船や 夜半の夏 杉田久女

水面の月を揺らしながら去ってゆく船。
遠くの森では、月の輪を背にふくろうが仲睦まじく語り合い、 宝珠地蔵さまがやさしく微笑んでいます。 ふくろうたちは飛騨高山の一位一刀彫。 彩色はせずノミだけで仕上げた木彫りの作品です。 ほかにも夏の夜の世界を覗いてみましょう。

板殿 めぐみ(宝凛)のつくり手の部屋を見る - 一位一刀彫(岐阜県)-cart

女の布遊び

機織りの部屋では、布遊びの喜びを感じさせる小物たちが出番を待っています。 ここは瀬戸内海に臨む岡山の地。その布は手紡ぎ、手織り。 様々な色糸が折り重なり、草木染の素朴でやさしい色合いとなります。 軽くてあたたかく、触り心地柔らかな烏城紬と呼ばれる織物です。

須本 雅子のつくり手の部屋を見る - 染織 烏城紬(岡山県)-cart

海の世界

水面下には、海の中の世界があります。 くらげの案内で海の底に向かえば、海藻やサンゴの間を自在に泳ぐ魚の姿が見えます。
マリンブルーの小物入れが作られたのは、岡山とは瀬戸内海を挟んで向かい合う香川の地。 船が去った波の下、海の中に思いを馳せた漆絵です。
漆はぬりあげたときが一番暗く発色しています。 深海のようなマリンブルーは少しずつ明るくなるとか。 水深や海底の色、光によっても異なる海の色をみせてくれるかもしれません。
小物入れの内側には、朱溜塗の手法が用いられ、香川漆器らしさを感じさせます。 こちらも長年の間に杢目が見えてくる楽しみがあります。

中田 可奈子のつくり手の部屋を見る - 香川漆器(香川県)-cart

打上花火

夜空に歓声が響く花火大会。浴衣に信玄袋を決めて、涼風を期待して川原へ歩きます。 武田信玄の肖像画の背後に描かれた袋物に形が似ているので、 その名がついたともいわれるそうですが、名称の起源ははっきりしていないようです。
この信玄袋は、信州の手織り上田紬で作られました。 鮮やかな色が、ポシェットとして使ってもかわいい作品です。 鮮やかな色は両面で異なる組み合わせ。 ここがおしゃれなセンスの生かしどころ。気分次第で、メインに見せる色が選べます。

小岩井 カリナのつくり手の部屋を見る - 信州紬 手織り上田紬 (長野県)-cart

この日の夏の夜の世界は、思いのほかにぎやかでした。

では、朝までゆっくりと…、おやすみなさい。

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