見上げる澄んだ空には、
イワシ雲ともサバ雲ともいわれる、
まるで魚のウロコのように
キラッキラッと輝く雲が広がります。
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今月の俳句
一枚の 紅葉かつ散る 静かさよ 高浜虚子
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山の木々は、栗色、枯竹色、銀煤竹、土器色、臙脂色など微妙に違う彩りを装います。
紅葉とは、草木が赤や黄色に染まることを「紅葉つ」「黄葉つ」といったのが語源とか。
ふと紅葉の葉が一枚枝から離れ、裏を見せ表を見せふうわり、ふうわりと
ほら 耳を澄ましてごらん!
尾張友禅 山粧う
山田るり子のつくり手の部屋を見る
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木立の間にはさわさわさわ、ざわざわざわと、
色なき風が通り抜けて、
足元の落ち葉を踏みしめるたび
ガサガサガサ
サックサックサック
山裾の里には穏やかなゆらゆら
もかもかとした日差しに、収穫した大根や野菜、
柿などが縄で結ばれ、家々の軒下に
ぶうらり、
ぶうらり
ふーふー、
さーさー、
ひゅうひゅう、
山から吹き下りてくる冷たい風に、
庭に咲くキキョウ、ケイトウ、コスモス、ススキ、
イヌタデ、ノボロギク、ヨメナなど野の花が
ゆぅらりくぅらり、
ひょんひょんひょん、
くぃーん くぃーん
![](/images/kurashi/202210/illust1.jpg)
家の中からぎーこん、ばったん、ぎーこん、
ぱったん、とんとんとん、機織る音が・・・
家の周りでは、機織り虫と呼ばれる
キリギリスがぎーっちょん、ぎーっちょん
まるで競い合っているみたい。
人々も野山の生き物も
そろそろ冬支度を始める合図です。
遠くでひーよひーよとヒヨドリの歌声が︙
ひーよ ひーよ
ひーよ ひーよ
ひーよ
ひーよ
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構成/和くらし・くらぶ
文/関根 由子(和くらし・くらぶ)
書、画/伊藤 千恵子(和くらし・くらぶ)
写真/山下 三千夫(マルミミ)
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