見上げる澄んだ空には、
イワシ雲ともサバ雲ともいわれる、
まるで魚のウロコのように
キラッキラッと輝く雲が広がります。

今月の俳句
一枚の 紅葉かつ散る 静かさよ 高浜虚子

山の木々は、栗色、枯竹色、銀煤竹、土器色、臙脂色など微妙に違う彩りを装います。
紅葉とは、草木が赤や黄色に染まることを「紅葉つ」「黄葉つ」といったのが語源とか。
ふと紅葉の葉が一枚枝から離れ、裏を見せ表を見せふうわり、ふうわりと
ほら 耳を澄ましてごらん!
尾張友禅 山粧う
山田るり子のつくり手の部屋を見る

木立の間にはさわさわさわ、ざわざわざわと、
色なき風が通り抜けて、
足元の落ち葉を踏みしめるたび
ガサガサガサ
サックサックサック
山裾の里には穏やかなゆらゆら
もかもかとした日差しに、収穫した大根や野菜、
柿などが縄で結ばれ、家々の軒下に
ぶうらり、
ぶうらり
ふーふー、
さーさー、
ひゅうひゅう、
山から吹き下りてくる冷たい風に、
庭に咲くキキョウ、ケイトウ、コスモス、ススキ、
イヌタデ、ノボロギク、ヨメナなど野の花が
ゆぅらりくぅらり、
ひょんひょんひょん、
くぃーん くぃーん

家の中からぎーこん、ばったん、ぎーこん、
ぱったん、とんとんとん、機織る音が・・・
家の周りでは、機織り虫と呼ばれる
キリギリスがぎーっちょん、ぎーっちょん
まるで競い合っているみたい。
人々も野山の生き物も
そろそろ冬支度を始める合図です。
遠くでひーよひーよとヒヨドリの歌声が︙
ひーよ ひーよ
ひーよ ひーよ
ひーよ
ひーよ

構成/和くらし・くらぶ
文/関根 由子(和くらし・くらぶ)
書、画/伊藤 千恵子(和くらし・くらぶ)
写真/山下 三千夫(マルミミ)
