もみの木、スープ、ワイン杯セット
川井明美のつくり手の部屋を見る
今月の俳句
をさな子や 文庫に仕舞ふ はつ氷 小林一茶
「幼子が初氷を大切に思い文庫に仕舞った」そんな季節の便りが届きました。
「初氷」、「初霜」、「初雪」。それが日常のこととなり、スキーのできる銀世界が出現します。
中国地方の大山も雪山を待ち焦がれた山好きで賑わいます。
ここでは、同じ岡山県でも南東部の伊部地区で作られる備前焼のツリーを飾り、 ワインと温かいスープのあるクリスマスの食卓を囲むことにしました。
作り手は備前焼作家の川井明美さん。ツリーには、青ゴマが流れるようにかかっていて、 使うほどに美しく光ります。温かみのある器は、手に取ると思いのほか軽く、高温で焼き締めた備前土の特徴のひとつである明るいシソ色が冴えています。
年末からお正月と月日の流れの早さを実感するこの頃ですが、 心をこめ、受け継いだ伝統の手の技で時間を掛けて作られた 器や道具と出会えて安らぎを得ました。
構成/和くらし・くらぶ
文/指田 京子(和くらし・くらぶ)
書・画/伊藤 千恵子(和くらし・くらぶ)
写真/山下 三千夫(マルミミ)