
もみの木、スープ、ワイン杯セット
川井明美のつくり手の部屋を見る
今月の俳句
をさな子や 文庫に仕舞ふ はつ氷 小林一茶
「幼子が初氷を大切に思い文庫に仕舞った」そんな季節の便りが届きました。
「初氷」、「初霜」、「初雪」。それが日常のこととなり、スキーのできる銀世界が出現します。
中国地方の大山も雪山を待ち焦がれた山好きで賑わいます。
ここでは、同じ岡山県でも南東部の伊部地区で作られる備前焼のツリーを飾り、 ワインと温かいスープのあるクリスマスの食卓を囲むことにしました。
作り手は備前焼作家の川井明美さん。ツリーには、青ゴマが流れるようにかかっていて、 使うほどに美しく光ります。温かみのある器は、手に取ると思いのほか軽く、高温で焼き締めた備前土の特徴のひとつである明るいシソ色が冴えています。

ショルダーバッグ
小岩井 カリナのつくり手の部屋を見る
クリスマスに限らず、贈り物の箱を開ける時はわくわくするもの。 箱を開けたら手織り上田紬の鮮やかなポーチが二つ。 旅に持って行きたい、使い勝手のよさそうなサイズで、ショルダーバッグとしても使えます。
このハイセンスな色彩は小岩井カリナさんの創作。信州紬伝統工芸士として、 上田の地に伝わる信州の伝統織物の技法を活かしたものづくりに加えて、 本格的な織物体験の指導も行っています。
小箱「南天に雪うさぎ」
中田 可奈子のつくり手の部屋を見る
次の包みの中はカジュアルにも使える香川漆器のお重でした。 描かれているのは、寒い冬に赤い実をたくさんつける南天。
昔から「難を転ずる」に通じる吉祥文として親しまれてきました。 小ぶりの一段のお重は、おせちに限らずオードブルやサンドイッチ、 ごはんやおかず、果物やお菓子まで、工夫して盛り込むのに最適。
南天を描いた作り手は香川漆器伝統工芸士の中田可奈子さん。 秋には来年の干支「うさぎ」を描く仕事に集中する日が続いたとか。 くらしの旬のために次々と新作を発表してくださる勉強家です。
曙塗 雑煮椀
谷岡 公美子のつくり手の部屋を見る
ところで、お重が登場しましたから、お雑煮の先取りはいかがでしょうか。 紀州漆器の曙塗の雑煮椀の登場です。曙塗は朱漆の上に黒漆を塗り重ねてから研ぎ出す技法です。 黒に朱を塗り重ねて研ぎ出す「根来塗」とは、色を重ねる順番が逆になります。
紀州漆器伝統工芸士の谷岡公美子さんは、使い込んだ時に生まれる自然なこすれ加減を目指して、 漆をこする音に耳を澄ませて手をうごかすそうです。塗りの技以外に蒔絵の技法でも認められ、伝統工芸士の認定を総合部門で受けています。 また、紀州漆器の伝統を学ぼうとする志ある方々と研修の場を持ちたいという夢を大切にしながら制作を続けています。

年末からお正月と月日の流れの早さを実感するこの頃ですが、 心をこめ、受け継いだ伝統の手の技で時間を掛けて作られた 器や道具と出会えて安らぎを得ました。
構成/和くらし・くらぶ
文/指田 京子(和くらし・くらぶ)
書・画/伊藤 千恵子(和くらし・くらぶ)
写真/山下 三千夫(マルミミ)
